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夏みかん酵母その3
名前のこと

夏みかんとはちみつと水を保存瓶にいれ、毎日匂いを確かめている頃。
桃花は『もも』という名前にすると言っていた。
でもエキスを絞ったときに名前は決定しようと保留にしておいた。

そしてエキスを絞る前日。
月之助が2歳の誕生日を迎えた。
夜空には絵に描いたような三日月がぽっかり。
月之助の名前の話をしながら家族4人でしばし月を眺めた。

エキスをしぼって小麦粉と発酵させる。
ひと作業終えて、「名前どうする?」と尋ねた。
「オツキサマ! ももか『おつきさま』って呼びたいの!」
ふむ。まあ、悪くないんだけども。
現実的には空の月、弟の月之助と混同しそうだなぁ。
ま、いいか。
とりあえず、『おつきさま』と名前を貼っておこう。

と小麦粉で培養し始めた夏みかん酵母。
また気が変わるといけないと思い、ことあるごとに名前をしつこく確認する。
昨日も保育園の帰り道すがらに酵母の名前の話になった。
「オツキサマでいいの?」
「うん。おつきさまがいいの。」
「ツッキーとかオツキサンとかじゃなくて?」
「うん。オ・ツ・キ・サ・マがいいの!」
「ふ〜ん。どうして『もも』から急に変わったの?」
「だってつきのすけのたんじょうびのひ、おつきさまがきれいだったから。
なんかほそくって、なんていうんだっけ?」
「三日月」
「そうそう!みかづき きれいだったでしょう?だから。」
「三日月でミカズキンちゃんとかじゃなくていいの?」
「おい、ママ!なにいってるの! みかずきんじゃなくて アカズキンちゃんでしょ!」
「赤ずきんちゃんはそりゃそうだけど。酵母の名前さ。」
「だーめ。『オツキサマ』なの!」

だそうである。

夏みかん酵母の名前は
『オツキサマ』に決定しました。
以後よろしくお願いいたします。

本来ならcafe tojo(カフェ・トホ)としては『け』で始まる名前をつけたかったところなのですが、まあ、看板娘専用の酵母ということで例外を作ることにしました。
あしからず。

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